「女は政治に関われぬ」

一条天皇が譲位を決意したのち、それを伝えるべく東宮の居貞親王(小菅聡太)のもとに向かった道長が、彰子の居室の前を素通りした、という話が藤原行成(渡辺大知)の日記である『権記』に記されている。道長は彰子が敦成の立太子に反対なのを知っており、だからあえて素通りした――。そう解釈した彰子は、怒るとともに父を恨んだというのである。

第40回「君を置きて」でも、この逸話をもとにしたと思われる場面が描かれた。