「株の世界」の見え方はガラッと変わる

なぜ資産運用には長期的な視点が重要なのか。過去の運用成績グラフで体感してみましょう。

【図表1】2024年1月からの変動率(日足)

まずは、2024年年初来の運用成績を見てみましょう(図表1)。全世界株式(MSCI ACWI除く日本)、S&P500、TOPIXの3指標は、7月までは順調に上昇しているように見えます。しかし8月には急落、特にTOPIXの落ち込みは顕著です。米国の景気減速懸念が強まったほか、円高・ドル安が株価の重荷となったためです。

8月以降もTOPIXは乱高下しているように見えますが、全世界株式やS&P500は、さほど8月以前のトレンドと変わりません。

【図表2】2021年10月からの変動率(週足)

次に少しズームアウトして、直近3年の運用成績を見てみましょう(図表2)。3指標ともコロナ禍を経て世界経済の回復とともに株価も回復している様子がうかがえます。

2024年の乱高下は実は大したことない

最後に過去20年間の運用成績を見てみましょう(図表3)。TOPIXは成長が緩やかであった一方でS&P500や世界株式は比較的好調な成績を維持しています。

【図表3】2004年10月からの変動率(月足)

全体的に下落が目立つのが、2020年のコロナショック時です。2024年の運用成績は、思ったほど乱高下していないと思いませんか? 短期的な変動も長期的に収束していくことがわかります。

市場の変動を見て、「今はもうやめたほうがいいのではないか」と思うのは自然な反応ですが、20年間の長期視点で見ると一時的な揺らぎに過ぎないことが多いのです。