さかはらあつし●1966年、京都府生まれ。93年京都大学経済学部卒業後、電通に入社。95年3月20日の通勤中、地下鉄サリン事件に遭遇。同年電通退社後、96年に渡米。2000年にMBAを取得。01年、製作に協力した映画『おはぎ』がカンヌ国際映画祭にて短編映画賞を受賞した。
さかはらあつし●1966年、京都府生まれ。93年京都大学経済学部卒業後、電通に入社。95年3月20日の通勤中、地下鉄サリン事件に遭遇。同年電通退社後、96年に渡米。2000年にMBAを取得。01年、製作に協力した映画『おはぎ』がカンヌ国際映画祭にて短編映画賞を受賞した。

オレンジ色の目立つ装丁、いろいろなものをぶら下げた人のヘタウマな絵、かみ合わない2つの単語。まったくわけがわからずに本書を手に取る人も多いだろう。サリンは言わずとしれた猛毒の神経ガス。おはぎとは、この本の著者である、さかはらあつしさんがプロデューサーとして加わってカンヌ国際映画祭の短編映画賞をとった映画の名前だ。さかはらさんにとって、2つの言葉はそのまま2つのターニングポイントであり、風変わりな半生の象徴になっている。

さかはらさんは15年前に起こったオウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者だ。そのことがさかはらさんの人生を大きく変えたのはまぎれもない事実だが、本書を読むとサリン事件に遭遇する前から相当「変わった」人であったことがわかる。

(梅原ひでひこ=撮影)