著者と同じ1980年前後に生まれた8人の若者たちは、就職氷河期に厳しい競争を勝ち抜いて社会人になりながら、働くことの意味に迷う。
稲泉 連●いないずみ・れん 1979年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2004年に上梓した『ぼくもいくさに征くのだけれど』で、第36回大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞。他の著書に『僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由』などがある。
「良い大学から良い会社へ。社会にはそんなレールが敷いてあって、僕らはそれに乗るか、外れるかについて、二者択一を求められていた気がします。以前に書いた『僕らが働く理由……』では、そのレールに乗ることを拒否した人、乗れなかった人たちを追いましたが、以来、ずっと心の中に引っかかっていたことがありました。それが、レールに乗った同世代のこと。彼らが変化の著しいこの10年間でどんな風景を見て何を考えてきたのか、それを確認したかった」
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(滝口浩史=撮影)


