起業で成功するために最も大事な物とは何か。累計会員登録数400万以上まで急成長した、駐車場シェアリングサービス「アキッパ」の創業者である金谷元気氏は「大きく飛躍したスタートアップがミッション・ビジョンを大事にしていることは間違いない」という――。

※本稿は、金谷元気、akippa『番狂わせの起業法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

サイコロを転がし、VISIONという言葉をMISSIONという言葉に変える手
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ミッション・ビジョンって本当に必要?

企業にとって、ミッション・ビジョンは重要なものとされています。

というより、「最重要とされている」といったほうが正確でしょう。

ミッション・ビジョンがあると、目指す方向性が会社全体で統一され、業績向上にもつながりやすくなります。また出資を受ける際にも、投資家からミッション・ビジョンについての質問を受けることが多々ありました。明確なミッション・ビジョンがあることで投資家からの信頼を得られ、成長機会をより多く得られたと実感しています。

ではミッション・ビジョンとは、何でしょうか。

ミッションは、わかりやすく言えば「会社の普遍的な使命」です。

そして、ビジョンとは、「企業や組織が将来どのような状態を達成したいかを示す長期的な展望。将来の方向性を示すもの」です。

ミッションから生まれた新サービス

わかりやすく言うと「なりたい姿」のことだと、個人的には定義づけしています。

メルカリや印刷プラットフォームのラクスルなどを見ていても痛切に感じることなのですが、大きく飛躍したスタートアップがミッション・ビジョンを大事にしていることは間違いありません。

いまでこそ、私もミッション・ビジョンの重要性を理解していますが、アキッパのサービスを開始するまでは、ミッション・ビジョンを決めるどころか、真剣に考えることすらありませんでした。

「そんなもの、ほんまに必要なんかな」「かっこいい言葉をスローガンとして並べとけばいいんじゃないの」と思っていたほどです。

しかし、アキッパというサービスが誕生したきっかけは「“なくてはならぬ”をつくる」というミッションを制定したからです。逆に言えばミッションを定めていなければ、アキッパというサービスは誕生していません。

ミッション・ビジョンは、何よりも重要なことだと思います。