「コレステロールが多いから…」の大誤解
たまごの栄養は王様クラスなどと話すと、いまもよく「でもコレステロールが多いから、そんなに食べちゃダメでしょう」などと返されます。
コレステロールが豊富な食品を食べると、血中コレステロール値が上がる。かたくなにそう信じている人が多いようです。
しかし、2015年に「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)では「コレステロールの摂取制限」がなくなっています。それは、食事で摂るコレステロール量を控えると、それを補うべく肝臓がコレステロールを合成して、血中に放出して一定量を保とうとし、逆に食べるコレステロール量が増えると、肝臓がコレステロールの合成を休むという仕組みが僕らの体に備わっていると明らかになったからです。
つまり、食べて摂るコレステロール量と、血中コレステロール値の上昇の因果関係は明らかではないと判断されたのです。
1日3~4個食べても悪玉コレステロールに影響なし
たまごを1日3~4個も食べる僕ですが、2024年の定期検査で善玉と呼ばれるHDLコレステロール値は59mg/dl(日本動脈硬化学会での正常値は40mg/dl未満)、悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値は122mg/dl(同学会での正常値は140mg/dl未満)、中性脂肪値143mg/dl(同学会での正常値は150mg/dl未満)、ヘモグロビンA1c値5.2%(日本糖尿病学会では6.0%未満を目標値)でした。
たまごを食べても、悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値に影響はないことを毎年の検査結果が教えてくれます。僕の場合、糖尿病家系ですが、ヘモグロビンA1c値も正常、何も問題がない数値です。
なかには、遺伝的な問題や、極端な食べ方で血中コレステロール値のコントロールがうまくいかない人もいますが、ドクターストップなどが出ていない人なら、1日3、4個食べてもOK。1日1個までに制限しても、高コレステロール血症や動脈硬化、心臓病の予防になるわけではないのです。