絵画を観るということ

絵画鑑賞は見る者がその背景にある歴史や文化、画家の人生や作品に込めた思いを理解しようとし、想像を膨らませることで、豊かで広がりのある体験になるのだと思います。

16世紀中頃から後半にかけてのヨーロッパは、美術史的には「マニエリスム」の時代です。ルネッサンス期からの流れで宗教的なテーマが題材とされることが多く、表現は感情的で寓意[アレゴリー:林檎(アトリビュート)が原罪を意味するようなこと]が多用されました。それは絵画が祈りをつなぐツールとしての役割を担っていたことと関係しているはずです。