業務量が多くても平然とこなせる人の違い

まず、業務量が多くてもそれを平然とこなしている人本人は、業務量が多いとか、マルチタスクという言葉を使いません。そもそも、そのような認識をしていることが少ないと私は感じています。

例えば、請求書絡みの業務が5社分ある時、業務量が多いと言っている人は「A社の請求書」「B社の請求書」「C社の請求書」……と5つの業務として捉えがちですが、平然とこなすことができる人は、「請求書業務」という1つの業務と捉えている傾向があります。

また例えば、プロジェクト単位で仕事を請け負う部署で働いている人で、業務量が多いと言っている人は、「Aプロジェクト」の業務B、業務C、業務D、「Eプロジェクト」の業務F、業務G、業務Hと、細かく捉えていることが多いですが、平然とこなすことができる人は「Aプロジェクト業務」「Eプロジェクト業務」と捉えている傾向があります。

複数の書類を開いて業務をこなすビジネスマン
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マルチタスクをこなせる人は「視点が高い」

多数の業務を並行してすすめることをマルチタスクといいますが、マルチタスクをそつなくこなしている人は、そもそも業務がマルチにある(多数ある)という認識ではなく、1つ上の次元で捉えています。さまざまな業務を俯瞰することができており、少ない数の業務として集約できているから、そこまでマルチには感じていないのです。抽象度が高い、視点が高い、大きな視点をもっているという言葉も当てはまるかもしれません。

抽象度高く物事を捉えて全体を俯瞰するためには、その物事の本質を捉えたり、共通事項(最大公約数)を把握したりする能力が必要です。これはテストの点数や偏差値のように数字で表すことができる能力(認知能力)ではなく、非認知能力に入るものです。マルチタスクをそつなくこなしている人たちは、タスクをこなすのに必要な認知能力(=偏差値的な頭の良さ)を備えた上で、この非認知能力が高いのです。