「一人でも生きていける」という勘違い
女性の自立を語る上で、私は経済的な自立だけではなく、精神的な自立も重視しています。どれだけ年収が高くても、心が幼く依存心が強い女性は、周囲から疎んぜられますし、何よりも本人がいつまでも自分の人生に満足することができません。
「この人と一緒じゃないと生きていけない!」などパートナーに依存しきるようなタイプは分かりやすいですが、それ以外にも、うまくいかないことを人や社会のせいにする他責思考も依存心から生まれます。
そしてもう1つ。本稿のテーマで強調したいのが「私は一人でも生きていける! 何でも自分でできる!」と思い込んでいるタイプの人です。
本当に自立できている人は、人に頼ることを知っています。周囲の人と相互の信頼関係を築くことができているかは重要なポイントです。
ところが男性から「鞄を持とうか?」と言われて「いいって! 自分で持つ!」と邪険に扱ったり、収入が高いことを鼻にかけて「私の稼ぎだけで十分生きていけるから!」とわざわざアピールしたりする人もいます。
自立している人は相手に感謝できる
「自分一人でやれる」ということを誇示しようとする姿勢は、自信の無さの裏返しです。本当に賢く自立した女性は、性別にかかわらず相手を立てることを知っています。
精神的な自立ができているかどうかは、本人も自分を客観視できていないこともありますし、数値化できるようなものでもありません。あえて基準を申し上げるとすると、「ムキになるかどうか」だと私は考えています。
自立をしている人は、心に余裕があるからこそ小さなことでいちいち腹を立てませんし、むしろ相手に感謝することができます。一方で心にゆとりがないと些細なことが気になってイライラしてしまいがちです。
イライラする根本的な原因は「思い通りにしたい」という自分の心です。しかし当然ですが、世の中に自分の思い通り操れることなんてほとんどありません。唯一コントロールできるのは自分の心だけです。自分自身の心のコントロールがしっかりできるようになると、イライラは激減します。