人生を謳歌できる独身女性はほんの一握り
私の知人にも素敵な「おひとりさま」がいます。50歳を超えてなお、周囲の人が振り返るほどの美貌を保ち、所作も言葉づかいも美しく、気品が目に見えるような美しい女性です。ご家族・兄弟ともとても仲が良く、パートナーとも円満で、同性の友人にも慕われています。
さらに若い頃から資産運用をしており、老後の心配は皆無。むしろ「生きているうちにお金を使い切りたい」と、これまで以上に趣味や自己投資に励んでいます。まさに人生を謳歌するおひとりさまの典型です。
しかし、気をつけなければいけないことがあります。確かに彼女の優雅なシングルライフは友人の私が見ていても憧れるようなものです。とはいえ、おひとりさま女性がみんな、彼女のような豊かで充実した人生が送れているわけではない、ということです。
私は20年前から「女性の自立を応援したい」との思いで、女性限定の仕事塾を続けてきました。直接指導した女性は約4000人。それ以外にも10万人近い女性と出会ってきました。
その経験も踏まえて断言しますが、「おひとりさま」として人生を謳歌できているのは、独身女性のうちの1%にも満たないはずです。残りの99%は、これからかなり努力をしなければ、人生の後半戦に苦戦を強いられることでしょう。
「行き遅れた中年女性」になるリスク
お金もなく、自分の身なりに気を使ったり友達と遊んだりする余裕もない独身女性。その姿は周囲から見れば、「人生を謳歌するおひとりさま」というよりは「行き遅れた中年女性」にしか見えないかもしれません。
どのような選択をするかはもちろん本人次第ですが、女性の貧困問題も取り沙汰される今、このままでは将来的に生活基盤が弱いまま路頭に迷ってしまう女性が大量に出るのではないか、という危機感を私は抱いています。
未婚を貫くことや離婚することを考えている女性と話をしていると「結婚すると面倒くさいから」「夫や夫の家族に気を使いたくないから」など、逃避策として独身を選択しようとしている人が少くないことに気がつきます。
結婚する/しない、子どもを産む/産まないなど、人生におけるあらゆる選択に決まった正解はありません。「Aという道を選べば幸せになり、Bという道を選べば不幸になる」わけではなく、「自分が選んだ道を正解にする」という覚悟と努力が必要なのです。