固定金利型への借り換えが有効なケースとは

ローン金利1.4%に家計が耐えられるなら、今後の変動金利の上昇については、それほど心配する必要はない。ただ、予想外のインフレや円安などにより、さらに金利が上昇する可能性は残る。

もし、住宅ローン減税の控除も終了していて、返済期間が短くなっていれば、固定金利への借り換えも視野に入ってこよう。例えば、20年以下の固定金利型ローン「フラット20」の9月分の最低金利は1.43%。ネット銀行でも期間10年の固定型で1.2%台のローンがある。

変動金利から借り換えをした場合、変動金利がそれほど上がらなかったら損をしてしまうことになる。だが、これまで変動金利の恩恵を十分に受けていた人であれば、それほど気にはならないだろう。固定金利への借り換えは、ライフプランも立てやすくなり、今後の金利上昇によるストレスからも解放される。

変動金利型を借りている人はNISAに手を出してはいけない

変動金利を借りたばかりで、借り換えも難しいという人はどうすべきか。対策はシンプルだ。将来の繰上げ返済のために、今から余裕資金を貯めることを強くお勧めする。「貯蓄から投資へ」というNISAブームの中、貯蓄というとガッカリする人も多いかもしれない。

しかし、ほとんどの人は、住宅ローンを組んだ時点で、個人のリスク許容度は最大限に近い(それが変動金利ならなおさら)。投資で新たなリスクをとる余裕はないだろう(くれぐれもNISAはやらないように)。

貯蓄と言っても工夫の余地はある。1つ目は個人向け国債。預貯金と同じく「元本割れ」のリスクは無く、10年満期の「変動10年」なら、長期金利が上昇すれば適用利率のアップが期待できる。確実に預貯金より有利になるはずだ。