恋人だからといって相手を縛ることはできない

回答に添えられていた学生の意見を見てみましょう。カッコ内の数字は、AからEまで各設問で答えた数字を順番に示しています。

まず、ゆるめの人の意見を見てみましょう。

「世の中の人たちが考える浮気に関しての理解は出来るが、私は誰かを縛る権利はないと思っているため、相手が何をしても別れる選択肢はない。相手を縛ること自体が好きではないため、自分のしたいことをして欲しい(①、①、①、①、①)」
「変に私情に干渉して嫌な関係になるよりは自分が我慢すればいいと思ってしまうので、基本的には――、許してしまいます。恋人であっても、自分とは異なる他人であることに変わりはないので、本人の幸せが第一だと思います(②、②、②、②、②)」

このように、たとえ恋人であっても、その人が望んで別の人と親密になるなら性関係があってもかまわない、と考える人もいます。恋人だからといって、相手を縛ることはできないというわけです。こうした意見には、「排他性の基準」は見られません。

異性の友人を隠そうとしている時点でアウト

次に、厳しめの人の意見を見てみましょう。

「『自分がされて嫌なことをしている』のであればそれは浮気と考えたい。そのため、その価値観が合う人じゃないと付き合えないと思う。お互いに独占欲が強い者同士が、上手くいくのではないだろうか(④、⑤、⑤、⑤、⑤)」
「隠そうとしている時点でアウトだなと思った。逆に、『今日は○○ちゃんと二人で遊んでくるよ』と自分から言ってくれるならまだ許せる(嫌だけど)。私は自分に自信が無いので『もしかしたら、私と別れてその子の方に行ってしまうかも』という不安から、嫌なのだろうなと思う(③、③、③、④、④)」

このように、メールのやりとりでもやめなければ別れる、会うのもやめてほしい、と思う人もいます。自分以外の異性と楽しく過ごすのはもちろん、興味をもつこと自体が許せないという感覚でしょう。「排他性の基準」がたいへん強い人と言えますね。

スマートフォンを使う手
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ちなみに韓国では、この基準が強いらしく、留学生から次のような意見が寄せられました。

「韓国では、日本よりこの基準が厳しいかもしれない。韓国では、普段誰かと付き合うとき、自分の恋人が異性の人と二人きりでメールをするのは控えたほうがいいと考える人が多い。(中略)日本の友達のインスタグラムを見ていると、よく同期やサークルの異性の友達とディズニーや旅行に行く様子が見られるが、韓国ではありえないことだと思う。なぜなら、韓国では付き合っている人に疑われるような状況を作らないのが礼儀であり、相手に対する配慮だと考えられているからだ」