最高性能の断熱サッシでさえ海外では“違法”扱い

さらに、日本サッシ協会の定める窓の断熱性能のラベリング制度では、2.33で最高等級の☆4つがもらえます。すなわち、日本で最高性能の評価が得られる断熱サッシは、他の国々では性能が低すぎて、使うことが認められないのです。

このように、日本で普通に家を建てるということは、他の国では考えられない低性能な家になってしまうということです。

【図表】省エネ建材等級表示区分について

当社が住まいづくりをお手伝いしたお客さまに、新居の住み心地について伺ったことがあります。小さなお子さんを子育て中の女性は、高気密・高断熱の性能にこだわったメリットの一つに、冬のお子さんとの入浴を挙げていました。

通常、冬に子どもを入浴させた後は、体が冷えて風邪をひかないように、慌てて体を拭いて服を着せるのが一般的かと思います。ところが、高気密・高断熱の家では、一年中、それも家中をほぼ同じ室温に保つことができます。そのため、冬だからといって、入浴後に慌てる必要はないのだそうです。

高気密・高断熱住宅は光熱費がかからない

そのご家庭では、お子さんは裸が好きだそうで、一年中おむつ一枚で家の中を駆け回っているそうです。その子は、服は外に出かけるときに着るものだと思い込んでいるようだとのことです。

このような暮らしならば、子どもが風邪をひきにくくなるというのは、なんとなくイメージできるのではないかと思います。実際に、無断熱の集合住宅とUA値0.6のある程度高断熱の家では、冬の風邪の発生率が27%減少するという研究結果があります。

【図表】冬の風邪の発生率

また、寝室の暖房の「あり」「なし」で子どもの風邪の発症リスクが、インフルエンザで45%減、発熱3日以上が73%減、風邪(3回以上)が77%減というデータもあります。これは暖房使用の有無ですが、高気密・高断熱住宅ならば、寝る際に暖房を切っていても朝までそれほど室温は下がらないため、実質的には暖房しているのと同じことです。

低断熱の家では、光熱費を考えると、一晩中冷房・暖房をつけることを躊躇する方が多いと思います。その点、高気密・高断熱住宅ならば、光熱費を気にすることがなく、健康・快適に暮らすことができます。

【図表】寝室暖房「あり」「なし」の風邪発症リスク比較