よいプレゼン、悪いプレゼン
上司に自分の言いたいことを正確に、誤解なく伝えるにはどうすべきか。
マーケティングの仕事では、プレゼンで自分のアイデアを上司にしっかり伝えることが非常に重要。新商品企画を上司にプレゼンするときには、私は冒頭でコンセプトを一言ではっきり提示します。
単身者や共働き夫婦をターゲットにした「チンしてこんがり魚焼きパック」の企画プレゼンでは「昨今、核家族化が進み、世帯構成が云々」といった回りくどい話から入るのではなく「電子レンジで魚が焼けるんです」と最も重要なコンセプトを最初に出しました。
メーンで訴えたいことのお膳立てとして、最初に市場やら世帯やらのデータを並べたがる人もいますが、聞いている上司は何が言いたいのかわからずに、イライラしてしまうでしょう。上司に興味を持ってもらいたい個所を、真っ先に見てもらえるように工夫することが大切です。
「電子レンジで焼ける」というアイデアのインパクトで上司の興味を一気に引っ張り、そのあとで「というのも最近は世帯構成が変わっていまして」と裏付けデータを持ってくる。このほうがアイデアに興味を持ってもらってから背景説明をするので上司の理解度も高まるのです。
「昨今、世帯構成が変わり……」と説明から入ると「ほんまか?」など本論と無関係な質問が入り、いつまでたってもコンセプトにたどり着きません。これでは通るアイデアも通らなくなる。
私はユニーク性と新規性で最初にインパクトを出します。ただしユニークなアイデアのプレゼンで「想像してみてください」は絶対ダメ。想像させる手間を相手に取らせてはいけません。