医師は今日も患者さんの説明に追われている

そもそも政府は、その国に住まう人が安心して生活することを保障せねばならないはずだ。けっして、不安にさせたり、慌てさせたり、焦らせたり、熟考を妨げたりしてはならないはずだ。

しかしどうだ。今の政府がおこなっているのは、マイナ保険証不保持者に根拠なき不安を覚えさせ、慌てさせ、焦らせ、熟考を妨害しているだけではないか。

今日も外来で、拙著を読んでくれたという90歳の患者さんに「マイナ保険証、どうしましょう? 作ったほうがいいのでしょうか?」と不安げに訊かれたので、私は「かかりつけ医」としてハッキリこう言った。

「慌てて作る必要なんてありません。私だってマイナ保険証どころか、マイナンバーカードさえ持っていませんよ。マイナ保険証がなくても今までどおり保険診療できますから安心して来てくださいね」と。

それはそれはホッとした面持ちで診察室を後にした患者さん。政府の詐欺的手口によって不安に陥れられた被害者たちを、現場では日々こうして手当てしている。

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