時代も国も宇宙も超えて解放される
祖父も父も作家の家に生まれた私は、本に囲まれて育ちました。父のところには書評を求めて絶えず献本が届き、玄関に山積みになっていました。積み上げられた本や父の書庫から私は勝手に本を持っていき、面白ければ自分の本棚に入れ、合わないと思ったら元の位置に戻すことを繰り返していました。
あるとき父の書庫にいくと、3つある棚のうち一番左の奥がよく歯抜けになっていることに気づきました。歯抜けになっているのは、「当たり」で面白い作品が多く、私が書庫に戻していないからです。その一角にあったのは、青、ピンク、それに白の背表紙たち。ハヤカワ、創元、サンリオという3つの出版社から発行されるSF文庫です。父が「それらはSFって言うんだよ」と教えてくれて、初めて私はSF小説が好きなんだと理解しました。
こちらは会員限定記事です。
無料会員にご登録頂くと、会員限定サービスをご利用いただけます。
30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
約5万本の全ての記事が閲覧可能
記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
会員限定イベントにご招待