ロボット、宇宙、時間旅行……日常にない題材が扱われ、少し難しそうなSF小説。科学が苦手な素人でも楽しむ方法を、SF作家の池澤春菜氏に聞いた。
難しいワープ航法の理屈はさっとワープ
SF小説は難しくて、気晴らしで読むのに適さない――。そんなイメージをお持ちの人は多いかもしれません。しかし、それは誤解。SF小説は娯楽です。堅苦しく考える必要はなく、もっと気楽に読んでいいのではないでしょうか。
池澤 春菜(いけざわ・はるな)
声優・作家・書評家。SFエッセイ集『SFのSは、ステキのS』で第48回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。2020年から22年には日本SF作家クラブ会長を務めた。近著『わたしは孤独な星のように』(早川書房)はじめ著書多数。
声優・作家・書評家。SFエッセイ集『SFのSは、ステキのS』で第48回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。2020年から22年には日本SF作家クラブ会長を務めた。近著『わたしは孤独な星のように』(早川書房)はじめ著書多数。
たとえば時代小説を読んでいるときに「天水桶」という単語に出くわしたとします。天水桶は防火用に雨水を溜めておく桶ですが、どんな大きさでどこに置かれているかというところまで知っている人はそう多くないはずです。でも、その程度のぼんやりした知識でも時代小説は十分に楽しめるし、実際、そこで挫折して読むのをやめる人はいませんよね。
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