「自分を抑制する力」もついてくる
また、「楽しいから、やり過ぎてしまう。でも、やめたい」「やめないと叱られる」といった、自分を抑制する力もついてくるということも研究でわかってきています。
心理学の研究が進み、子どもの感情や社会性の発達が明らかになるにつれて、認知、感情、社会性は、ゲームでも養えることが、科学的にも実証されてきています。
しかもこれは子どもだけではなく、大人についても同様です。ゲームをすることで、コミュニケーション力に自信がついたり、対人折衝能力が上がったりと、良い影響がいくつも報告されています。
つまり、ゲームは日常のコミュニケーションで養うべきスキルを養ってくれるのです。「ゲームは害悪」と断罪して無理に遠ざける必要は、いっさいないのです。
もちろん、こういう話をしたからといって、外遊びが重要でないわけではありません。スマホゲームも大事な能力を養うからといって、それだけやっていればいい、という話ではありません。逆に、「遊び」vs.「ゲーム」の図式で、遊びの方が良いからと、ゲームをゼロにする必要もありません。
ゲームでも、遊びと同じように培えるところは培えるし、外遊びで培えるところは外遊びで培えればいい。子どもにゲームをやらせること自体に、罪の意識を感じる必要はありません。大事なのはやはり、バランスなのです。
長くやりすぎるのはよくない
前述のように、マルチプレーヤーのオンラインゲームでは、みんなでプレーして協力する力が身についたり、仲間とつながることで精神的なウェルビーイングがアップすることがわかってきています。
しかし、そうした効果を十分に発揮させるために、ゲームをプレーする時に注意するべきことがいくつかあります。
まず、「やっぱりか」というところですが、長くやり過ぎてはいけません。特に、マルチプレーヤーゲームはみんなとプレーしながらどんどん盛り上がってしまいがちですが、楽しみながらもほどほどにとどめておくことが大事です。そのためにはプレー時間を「2時間」などと最初に決めて、その時間が来たら「今日はここまで。また次ね」と「やめる習慣」を身につけることです。