治療薬ガイドラインのアップデートも重要
また、現場の医師をはじめとした医療従事者は、日本で承認されている抗がん剤だからといって、安易に製薬会社のMRさんに勧められるまま処方するのではなく、最新の国際的なエビデンスをきちんとアップデートしながら日常の診療に従事するといった姿勢が求められてくるのではないでしょうか。
もちろん、日常診療に忙殺されてこうした情報を逐次アップデートするのは医師にとって簡単ではないでしょう。そこで、学会の出す治療薬ガイドラインも、最新の臨床試験の情報を常にアップデートした指針を示していくことが重要です。
末筆ですが、私自身は日々研究室の中で創薬研究に従事しています。承認を受けて市場に出回るのは、我々が一生をかけて見つけ出せるかどうかの新薬です。患者さんたちのためにも、しっかりと臨床的なベネフィットを明らかにしたうえで、患者さんの利益になるようなお薬が届けられるような世の中であってほしいと願います。