「老老代理戦争」をしている暇など日本にはない

もともと、「中曽根―レーガン」や「小泉―ブッシュ」のように、日本は共和党の大統領のほうが与しやすい。それは「安倍―トランプ」も同様であった。

スポーツに例えると、トランプ氏の政策には、柔道なら「指導」、サッカーなら「イエローカード」を出したい部分が多々あるが、どこに、どんな球種のボールを投げてくるかわかりやすいという点で、日本など受ける側も対処しやすい。

そうした中、日本では、アメリカよりひと足早く、9月後半には次の首相が決まる。当然ながら、アメリカの大統領がどちらに転んでも、十分交渉ができる安定した政権作りが求められるは言うまでもない。

また、アメリカでは、退任を待つだけのバイデン政権がレームダック化し、来年1月までの半年間、本格政権が始動しないため、その間、中国やロシア、それに北朝鮮の暴走を抑えることも重要な責務となる。

アメリカでは、バイデン氏の撤退によってトランプ氏との「老老対決」は回避できた。日本も麻生氏と菅氏とで、「ポスト岸田」をめぐり「老老代理戦争」をしている暇などない。

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