子アリと子ナシを分断しない働き方改革を!
持続可能なビジネスの推進に取り組んでいるNPO「ハンガリー・ビジネス・リーダーズ・フォーラム(HBLF)」のプログラム・パートナーマネージャーである人事エキスパートのエニコ・ウーイヴァーリ氏にハンガリーのワークライフバランス施策について聞くと、このような答えが返ってきた。
「子どもがいない人が、子どもがいる人の代わりに働かされていると感じてしまうワークライフバランス施策はよくないです。子どもがいる人にとっても子育ては人生のほんの一部。だから、子どもがいる人も、いない人にもメリットがある支援が必要です。また、子どもを育てながら幸せそうに働く同僚の姿は、若い人だけではなく、子どもたちにとっても、よいロールモデルとなりますよね」
筆者はハンガリーのやり方を模倣しろと言いたいわけではない。参考にしてほしいのだ。
あの国の残業制度を踏襲すれば雇用側は無駄な残業を省くために、効率的なマネジメントや生産性の高い働き方を常に模索するはずだ。同時に、労働者側も過剰労働を避けて、休暇をとろうとする。残業がなくなれば、自然とワンオペ育児も減る。するとメディアにあふれるネガティブな育児ネタも減るのではないか。
子育て世帯が「子持ち様」と揶揄されないような労働環境の改善に取り組むことこそ、待ったなしの少子化問題の解決の第一歩にしなければいけない。何もしなければ、本当にイーロン・マスクの言うように「日本人はいずれ存在しなくなる」かもしれないのだから。