「観察+感情」で話しはじめる

「はじめまして」の人としゃべるのがつらいのは、共通点がないからです。どんな話をしたらいいか、まるでわからない状態です。でも、実は、共通点はつくれるのです。

私は、次の2つのステップで、共通点を発見しています。

1 観察 一緒にいる空間を観察して、共有できるネタを探す
2 感情 その観察についての、「自分の感想」を述べる

というものです。

ポイントは「空間」です。たとえば、飲み会で同じテーブルについたなら、こんなふうに……

観察 隣の席で注文した焼きそば、おいしそうですよ
感情 あ~、急にお腹減ってきたなぁ

という感じ。

そのあとに、「中華、よく来るんですか?」とか「注文、もう決めましたか?」などと、相手に質問して、相手にも口を開いてもらいます。

この方法が編み出せたのは、ある人の言葉がきっかけでした。それを教えてくれたのは、若き政治家です。政治家は、とにかく人とよく会います。

はじめましての人とも頻繁に会い、コミュニケーションを図らないといけません。だから、初対面の人に慣れていると思い、質問しました。

「どうすれば、知らない人と仲良く話すことができるのですか?」

すると、彼はこう教えてくれました。

「同じ釜の飯を食ってる感、を出すことです」

オフィスで挨拶を交わす若いビジネスパーソンたち
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

ネタは観察次第でいくらでも出てくる

相手も自分も、今この瞬間は、同じ時間と空間を共有しています。これこそ、話のタネにしやすいですよね。たとえば、「このレストランは内装がおしゃれですね。こういうレストランにはよく行かれますか?」とか、「このスープ、すごく味が深いですね。スープはお好きですか?」とか。

同じ時間と空間で、同じように五感を動かしていることを強調します。そうすれば、持っている話題がなくても、観察次第でいくらでもネタが出てくるそうです。

「あぁ、話すネタがない。話が続かなくなったらどうしよう」と悩んだら、深呼吸して周囲を見回してみましょう。五感のすべてをはたらかせて、周りを観察します。そして、今、自分がどんなことを感じているかを考える。

観察し、感情をつぶやいたあとに、相手に話をふってみる。話題に行き詰まったら、再び観察して、次の話題を見つける。雑談はそのくり返しで成り立っていきます。

大事なのは、ライブ感です。今、この瞬間、自分たちが何を共有していて、どう感じているか。まずは、自分が感じたことを口に出して共有してみてください。

そこを、上手く共有して乗り越えられれば、相手と仲良くなれる。最低でも、お互いの印象がよくなることは間違いありません。

【ポイント】
「はじめまして」の人とは、周りを観察して、感じたことを話題にする。