【グループ 考え方に問題がある】学歴誇示タイプ

自慢の最中に会話をぶった切れ

ことあるごとに自分が高学歴であることをアピールして、マウントを取ってくる人がいます。性格が少々悪いくらいならスルーすればいいのですが、厄介なのは本人に実力が伴っておらず、高学歴が看板倒れになっているケースです。

橋下徹氏
橋下徹氏(撮影=的野弘路)

受験戦争を勝ち抜いたくらいですから、学生時代はそれなりに能力が高かったのかもしれません。しかし、あくまでも学歴は過去のもの。テストでいい点を取る能力と仕事を遂行する能力は別物です。その能力の違いに気づかない人は、社会に出てから成長がなく、仕事で成果を出しにくいものです。

テストで得点を取る能力と仕事を遂行する能力をはき違えていても、自己責任として放っておけばいいのですが、成果が出ていないことをごまかすために学歴でマウントを取り始めたら最悪。職場の雰囲気が悪くなり、チームのパフォーマンスにも相当な悪影響を与えます。

実力が伴わないのに自分を過大評価する者に対しては、とにかく仕事の成果だけにフォーカスして話すことが大切です。仕事の成果は、ジョブと期限で評価します。割り当てられた作業や役割をきちんと期限内に達成したか否か。

どんなに学歴が立派でも、ジョブと期限をクリアできていない人はダメ。そういう人が学歴自慢をしてきたら、「そういえば、○○さんのジョブは期日までに達成できそうですか」と真正面から問うていきましょう。学歴自慢の最中に会話の流れをぶった切ってもかまいません。そもそも職場で交わされるべき会話は仕事に関することが原則なので、話を本筋に戻しただけのことです。

大企業にはさまざまなマウントがあります。例えば、大企業から中堅中小企業に転職や出向してきた人が、「前の会社ではこれくらい当然だった」と大企業の基準を持ち出して、今の職場を腐すのです。たしかに平均年収400万円の会社と平均年収1000万円の会社では、社員の能力に差はあるのかもしれません。

しかし組織の基準とは、その組織ごとに見ていくもので、他の組織の基準をそのまま持ち込んでくるのは禁物です。

平均年収400万円の会社に勤める人は、その会社の人事評価基準で3を取っていればよく、平均年収1000万円の会社の人事評価基準を満たさないからといって非難されるいわれはありません。そこをはき違えて過大な成果――その人には達成が困難なジョブと期限――を要求すれば、たとえ乱暴な言葉遣いをしてなくてもパワハラになりえます。

逆にジョブと期限がクリアできているのであれば、学歴でマウントを取られる理由はありません。

学歴やキャリアでマウントを取られて、それを基準にダメ出しをされたら、まずは自分に与えられたジョブと期限を確認しましょう。

ジョブと期限がまわりに比べて過大なものであったり、仮に妥当なものであっても自分自身が組織の人事評価で平均以上という自信があれば、理はこちらにあります。

むしろ過大な要求をしてくる相手のほうが組織の人事評価基準を満たしていない可能性が高い。人事部に対応してもらうべきです。(橋下)

学歴誇示タイプの思考パターン、弱点、対処法
あなたはちっとも劣っていない。仕事の中身で勝負