※本稿は、司拓也『嫌われずに「言い返す」技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
ヘルプ&ティーチミー「相手の戦意を一瞬で削ぐ」
相手の攻撃から身を守る新しい戦略「助けてください」
罵詈雑言や能力を罵る言葉。それは私たちの日常において、時に耳にするかもしれない辛辣な言葉です。しかし、これに対してどう対処すればいいのか、迷ってしまうことはありませんか?
そんな罵倒を受けた際に心を守るための新しい方法を紹介します。
「ハゲたね」「太ったね」といったコンプレックスを突く言葉や、「仕事できないね」「仕事遅いね」といった能力を否定する言葉。
これらに対して、「助けてください」と答えてみてください。
相手が「助けようがないよ!」と返してきたら、「そんなこと言わずに助けてくださいよー」と再び伝えます。
この繰り返しを続けることで、相手は戸惑い、攻撃の意欲が失せていきます。
なぜ「助けてください」は効果的なのか
攻撃を続ける人は、多くの場合、他者を低く見ることで、自分の存在価値や自信を確立しようとしています。
しかし、「助けてください」という言葉は、攻撃的な姿勢に対する意外性から、相手を困惑させるだけでなく、心理学的にも深い効果があります。
アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーは、「認知的不協和の解消」という理論を提唱しました。この理論によれば、人は自分の行動と認識の間にギャップが生まれると、そのギャップを埋めるために、自分の認識を修正する傾向があります。
例えば、好きでもない相手を助けた場合でも、「好きだから助けた」のではなく、「助けたから好きになる」という心理的変化が生じるのです。
すべての人には承認を求める気持ちがあります。攻撃的な態度を取る人たちも、実はそのような欲求を深く感じています。それは、彼らの内なるコンプレックスの表れかもしれません。そうした人に「助けてほしい」と伝えることで、彼らの欲求は満たされるかもしれません。その結果、あなたを尊重するようになり、攻撃の度合いも和らぐでしょう。