「助けてください」の進化系「ティーチミー作戦」
このテクニックをさらに進化させるには、「どうしたらいいか教えてください!」と追加する「ティーチミー作戦」も併用します。
これによって、相手は、攻撃からアドバイザーへとシフトし、より建設的な関係が築けるでしょう。
このテクニックが実際の場面でどのように機能するのか、具体的な会話の例を見てみましょう。
【相手】最近、仕事の進捗が遅いね。
【あなた】本当に申し訳ないです。困っているので、助けていただけませんか? どうしたら効率良く進められるか教えてください!
【相手】えっーと、まずは、タスク管理を見直してみるといいかもね。
【相手】そのアイデア、実はあまり良くないと思う。
【あなた】そうですか……。じゃあ、どうすればもっといいアイデアになるか、助けてください! 具体的にどう改善すればいいですか?
【相手】うーん、そうだな……。もう少しユーザーのニーズを考慮するといいかもしれないね。
【相手】報告書、いつも同じミスをしているね。
【あなた】すみません、改善したいと思っています。助けてください。どの部分を注意深くチェックすればいいでしょうか?
【相手】データの正確性を3回確認することと、文体の一貫性に注意してみて。
これらの会話例からもわかるように、「ヘルプ&ティーチミー」法を用いることで、相手は協力的な態度に変わり、有益なアドバイスを受けることが期待できます。
「ヘルプ&ティーチミー」法を活用すると、攻撃的な言葉を避け、より建設的な対話を促進できます。相手があなたに対して批判的であったとしても、助けを求めることで相手の心理的バランスを変化させ、ポジティブな方向に持っていくことが可能です。
このアプローチの背後にある心理学的メカニズムを理解すると、相手との関係性をより良好に保ちながら、相手の期待に応えることができます。
また、相手があなたを助けることで、彼ら自身も自分の価値を再確認し、あなたとの関係がより強固なものとなるでしょう。
なお、相手に助けを求める際は、相手が嫌味やハラスメント的な言動をとってきたとしても、誠実な気持ちを持って聞くことが大切です。
自分の弱みや困っている点を正直に伝えることで、相手の中にかすかに残っているかもしれない良心がうずいて、協力的な態度を取ってくれる可能性が高まります。アドバイスを真摯に受け入れることで、あわよくば相互の信頼関係が深まり、より良い結果を生み出すことができることを期待しましょう。
もちろん、それでも相手のハラスメント的な態度が改善しないこともあるかもしれませんが、それはそれで、相手の知識やスキルを引き出して頂戴できれば儲け物くらいの気持ちでチャレンジしてみてください。