内容ではなく「糸口」を提示すればOK
繰り返しますが、相手はあなたの休日について知りたいのではなく、あなたと一緒にいる時間を楽しいものにしたいと思って質問しているのです。そのために、会話を続けるための糸口をつくろうとしているのです。
ですから、「ここが糸口です」ということを伝えれば問題ないのです。
(会話の例)
〔×〕
A 休みの日は何をしているの?
B 特に……掃除とか。
【実況中継】
本当の話をしてもそこで話が止まってしまう可能性がある!
〔○〕
A 休みの日は何をしているの?
B この間の休日は仕事で行けなかったけれど、最近はソロキャンプが好きでよく行くんだ。
【実況中継】
この言い方だとウソにならなくて気がラク
〔△〕
A 休みの日は何をしているの?
B 特に……掃除とか。あなたは?
【実況中継】
せめて、相手にボールをわたそう
「最近どう?」「趣味は何ですか?」と質問してくる人も「休みの日には何をしているの?」という質問と同じく、話の糸口を求めているだけであることがほとんどです。
相手は、近況報告をきっかけとして、あなたと何か話したいというだけなのです。そしてその場に沈黙が続くのを避けたいのです。
ですから「最近、高カカオチョコレートにハマってて」「この間散歩で、3駅先の公園まで行ってしまいました」など、話の糸口となる話題を提供しましょう。
本当のことでも「何もしませんでした」は絶対にダメ
このとき面白い話をする必要はありません。すべらない話ができるのは、それでお金が取れる、プロの人たちだからです。
そうでない私たちは、話題の提供ができればいいのです。それで相手との話題が広がればよし。
話題の提供をする気がなくなったら、そこで終了です。
会話というと、話をする側のほうにスポットライトが当たりがちですが、実は返し方も重要です。
以前、クライフというオランダの有名なサッカー選手が「チームにはリーダーとそれ以外の人がいるのではなく、ボールを持ったら、その人がリーダーだ」と言っていました。会話も同じで、ボールを持った人がリーダーになるのです。
最近の話を聞かれて、「何もなかった」と答えている人。
それはまずありえません。
週末のニュース番組でよくある「この1週間をまとめました」というコーナーをイメージしながら、先週の出来事を掘り出してみましょう。
特別な出来事でなくても、「毎朝、卵かけご飯とシーチキンを食べていました」という程度のことでもいいのです。相手が興味を示せば十分。やってみると、だんだんと慣れてきて、いろんなネタが出てくると思います。
「最近どう?」と聞かれて「やることがなくて、ホント何もしませんでした」と言うのは、相手を拒否しているのと同じです。絶対に言わないようにしましょう。