7月末の“失望売り”に備えたほうがいい

長年、私は国会の場で「異次元金融緩和の出口を示せ」「出口の際のシミュレーションを示せ」と日銀に要求してきた。にもかかわらず、日銀は「時期尚早」という言葉で逃げ、出口を示さないままこの期に至ってしまった。

早い時期で叡智を結集させ、国民に説明をして(その時点でも巨大だが)損失を覚悟し、方向転換ができていれば、ここまで損害は大きくならなかったと強く思う。日本が得意とする危機先送りは、最終的に超巨大なツケを国民に課すことになるが、現時点に至っても先送りをしようとしている。

財政規律を無視してバラマキというポピュリズム政治を続け、歴史に学ばず禁じ手中の禁じ手と言われる財政ファイナンス(国の歳出を中央銀行が紙幣を刷って賄う)を行ってきたツケは尋常でないほどに大きい。

1万円札の上にぽつんと立っているビジネスマンのミニチュア
写真=iStock.com/samxmeg
※写真はイメージです

止まらない円安はツケの一部であり、その先には円暴落・紙くず化が待っている。バラマキ政治と禁じ手のツケは国民が支払うことになるのだ。ここに至っては悲劇を招いた事実の正確な記録を残し、若者世代が将来同じ誤りを繰り返し、彼らも地獄を見ることのないようにすることが我々に残された義務だと思う。

そして繰り返し述べているように、皆さんにはいま「保険の意味でドルを買う」など、ご自身とご家族を守るための自助努力が必要なのだ。

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