セルフブランディング論の盛り上がり
ここ10年における、「セルフブランディング」に関連する書籍の年代別刊行点数を整理したものが図1です。「年代本」やドラッカー関連書籍のような急激な盛り上がりはありませんが、2000年代終盤以降に注目が高まり、今でもまだ一定の注目を集め続けているフレーズであることが言えると思います。
※オンライン書店「紀伊國屋書店BookWeb」の書籍検索画面において、フリーキーワード欄に2つの言葉を入力して、その双方を含む書籍を検索した。一方に入れた言葉は「セルフ」「パーソナル」「自分」「自己」、もう一方は「ブランド」「ブランディング」である(つまり4×2の8パターンについて検索した)。この検索から検出されるのは、書籍タイトル、サブタイトル、オンライン上に公開されている章・節名あるいは小見出しに「セルフブランディング」等の語彙が掲載されている書籍である。そのため、セルフブランディングを扱う書籍のすべてを網羅しているわけではないが、この言葉を意識的に用いている書籍の主なものを抽出したものであるといえる。
この検索結果から、・企業のブランド戦略について言及するもの、・服のきこなしについて言及するものをそれぞれ除外したものが表1である。
これらのうち、今回はタイトルもしくはサブタイトルに「セルフブランディング」等の言葉が用いられている書籍を素材にしたいと思います。この基準に当てはまるのは23冊ですが、その中から、営業職や接客業、起業を目指す人向けといった、特定の業種に絞った議論をしている5冊を除外した、18冊を今回の対象書籍とします。