「他人の怒り」からは距離を置く
【澤円】ここまでは自分の怒りについてお聞きしてきましたが、会社で誰かが怒られているのを目にしたり、悪口を聞いて嫌な気持ちになったりするなど、他人の怒りに巻き込まれてしまうケースもあります。そういう状況にはどう対処するのがいいでしょう?
【戸田久実】物理的距離を取るということですね。「この空間にいたら、自分もイライラしてしまう」「ストレスを感じてしまう」ということなら、コーヒーを淹れてくるとかトイレに行くなどしてその場を離れるのです。そうすれば、自分のなかで膨らみかけていたイライラやストレスをリセットすることができます。わたしの場合、心のなかで「実況中継」をしますね。
【澤円】怒っている人の状況を? 「徐々に顔が赤くなってまいりました!」といった感じですか?
【戸田久実】そうです。その状況から心理的に距離を取ることができて、他人の怒りに巻き込まれなくなります。あたりまえの話ですが、他人の言動や思考は絶対にコントロールできませんから、物理的であれ心理的であれ、距離を取るという考え方が有効です。
【澤円】自分の怒りについては点数をつけて6秒やり過ごし、他人の怒りとは距離を取る――。怒りとうまくつき合っていける気がしてきました。
(構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹)