駐禁ステッカーを無視するとどうなるか

自分のクルマで放置駐車違反をしてしまい、標章(あの黄色い駐禁ステッカー)をフロントガラスなどに取り付けられた場合、違反者には2つの道がある。

(1)警察へ出頭する

違反者が出頭してきたら、警察官は基本的には違反切符を切り、反則金の納付書を交付する。反則金の納付は任意、という話は少し長くなるので今回は省略する。

反則金を納付してもしなくても、違反切符を切られたら、いわば自動的に違反点数が登録される。放置駐車違反の場合は2点または3点だ。ゴールド免許の人は、次の免許更新のときゴールド免許でなくなる。更新時講習の時間が長くなり、手数料が高くなる。任意保険の掛け金が何千円か上がったりする。悪いことしかない。

ゴールド免許
写真=iStock.com/Yusuke Ide
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(2)警察へ出頭せず、知らん顔する

標章には、警察へ出頭せよとは一切書かれていない。そもそも出頭しなくていいのである。ぺたりと貼られた標章は、違反者が自分で剥がして(取り除いて)オッケーだ。

「放置違反金」だけ支払えば違反点数はゼロ

標章を丸めて捨て、知らん顔していると、だいたい数日程度で、警察のほうから郵便が届く。違反者のあなたへ、ではない。ナンバーから判明した、違反車両の持ち主であるあなたへ届く。実際に違反した人が誰か、警察は知らないし、特に知ろうともしない。

郵便には「放置違反金」の納付書が入っている。反則金は違反者に対するペナルティ、放置違反金は違反車両の持ち主に対するペナルティ。金額は同じだ。持ち主の立場で放置違反金を払えば、違反の処理は終わる。

誰にも違反切符が切られずに終わるので、誰にも違反点数は登録されない。違反して捕まってペナルティを払ったのに、ゴールド免許の人はゴールドのままでいられる。

そんなの信じられない、という人もいるかもしれないが、そもそも違反点数は違反者本人に登録される。車両の持ち主に違反点数を登録することはできない。違反者=持ち主であってもだ。

「反則金より違反点数のほうが痛い!」と考える人は多いだろう。取り締まりを受けても点数はセーフで、放置違反金は“見逃し料”といえる。