それでも、世界にはもっとたばこが高い国がある。2021年に世界中で売られているマルボロの価格を比較したデータがある。1位のオーストラリア26.50ドル。1ドル150円で計算すると、3975円である。ほぼ4000円だ。とても高い。その後、2位ニュージーランド24.26ドル、3位アイルランド16.20ドル、4位ノルウェー15.81ドル、5位イギリス15.52ドルと続く。アイルランド、ノルウェー、イギリスの税率は約8割に達している。日本の600円は43位と比較的吸いやすい価格だったのだと思い知らされる。

WHOの「世界保健統計2023」によると、国別喫煙率ランキングの1位は、南太平洋の島国ナウル48.5%、2位がミャンマーで44.1%、3位がこちらも南太平洋のキリバス40.6%だった。上位3位のうち2カ国が南太平洋の島国というのは何か理由があるのだろうか。詳しい人がいたら、ぜひ教えてほしい。日本は20.1%でWHO加盟国194カ国中89位だった。喫煙にうるさい欧州で、たばこの価格も日本より高いフランスの喫煙率は33.4%と高めだった。

海外からの旅行客向けビジネスはどうか

先ほど紹介したマルボロの国別価格比較と、国別喫煙率の表を並べてみると、日本よりたばこの価格が高いにもかかわらず、喫煙率が高い国が結構あることに気づく。みんな頑張って吸っているなあと共感を覚えると同時に、新たなビジネスの可能性も感じる。

規制前のイギリスの様子
世界では:イギリスでは、たばこを棚に陳列して販売することが禁止されている(写真は規制前のイギリスの様子)。そして1箱あたりの価格は日本より数倍高いにもかかわらず、喫煙者の割合は高い。このギャップは、大きなビジネスチャンスになる可能性を秘めている。

最近の円安で海外からの旅行客がさらに増加しているが、たばこが土産物として注目されているようだ。日本のたばこは美味しいし、外国人なら円安のうえに免税だから格安だ。日本にたばこを吸いに来る外国人もいるという。

そこで、海外からの旅行者向けに、外国人でも気軽に利用できる喫煙所や喫煙者向けカフェを整備してはどうだろうか。江戸切子の灰皿や昔ながらのキセル、浮世絵が描かれたマッチなど、たばこと同時に売れそうなものをたくさん思いつく。儲かりそうな気配がしたのだが、妻にバレたらどうなるか。恐ろしくて起業はできずにいる。

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