「マクアケストア」のポテンシャル

しかしアマゾンや楽天市場などであれば、注文した商品は翌日配送が可能だ。普段、ECサイトで、アーリーマジョリティはこのスピード感で商品やサービスを購入している。

こうしたメインストリーム市場の消費者にアプローチするためには、すでにサービスを開始している「マクアケストア」を充実させるという手段があるのではないか。

【図表6】「さがす」画面
Makuakeアプリより筆者作成

「マクアケ発のユニークな商品が買える」と銘打ったマクアケストアでは、マクアケでプロジェクトがサクセス(目標金額達成)した後に一般販売された商品を購入できる。しかし現状、マクアケストアの商品構成やサイトデザインなどを見ると、ここでの販売に力が入っているようには思えない。

アーリーマジョリティのなかには、比較的新しい商品がいつでも買えてすぐ翌日に届くとなれば、買いたい消費者が潜在的にいると思う。マクアケストアをアップデートして、ヒット商品を生み、キャズムを超えることに挑戦したらよいのではないか。

企業と消費者の双方向コミュニケーションを増やす

もう1つ、BtoBとBtoCの2サイドのプラットフォームをもっとつなげていくことも、マクアケの業績改善のポイントだ。現状、マクアケではプロジェクトの実行者による「活動レポート」と、応援購入者(サポーター)による「応援コメント」が投稿できるようになっている。

これに加えて、「商品レビュー」を増やしてはどうか。消費者はプロジェクト実行者への信頼度が上がり、より購入してみたくなるはずだ。あるいはニューズピックスにおけるプロピッカー(ニュースを解説する300名以上の専門家)のような人たちを用意して、商品開発やレビューを行うというのはどうだろう。マクアケでプロピッカー的な存在になりたいマーケターが集まり、それに惹かれて消費者が集まるような構造が、もしかしたらできるかもしれない。

BtoB市場にいる企業・事業主と、BtoC市場にいる消費者の双方向コミュニケーションを増やして、より多彩につなげていくことで、みんなが参加したい、見てみたいというプラットフォームを目指す。これが実現できれば、マクアケは「商品開発」と「流通」が双方向に情報をやりとりする「0次市場のエコシステム」にアップデートされるだろう。

【図表7】マクアケ業績改善の最大効果ポイント
筆者作成