疲れを感じたら、空想してみる

⑥造形・想像タイプ

造形・想像タイプの休養では、絵を描いたり、詩を作ったり、陶芸や木工をしたりといった創作活動に集中することで、疲労を軽減させるという方法です。「DIY」で家具を作ったり、新作の料理にチャレンジしたりするといった、創作活動全般がこのタイプの休養です。一つのことに集中することは、十分な休養といえます。

また、必ずしも「形のあるもの」の創作活動でなくてもいいのです。

例えば、瞑想や空想も造形・想像タイプの休養になります。

禅から派生した「マインドフルネス」が流行していますが、これは心をからっぽにすることをすすめています。

しかし、心をからっぽにしたり、何も考えないようにしたりするのは、慣れないうちは、なかなかハードルが高く感じる人もいるかもしれません。

心や頭を無にすることが難しく感じる人には空想をすることをおすすめします。

例えば、海外の地図や写真を眺めて、「自分がその場所に、旅行で訪れたとしたら」とか、美術館で絵を見ながら、「この画家はどういった気持ちで、この絵を描いたのだろう」などと、思い浮かべてみてもいいでしょう。これもまた、造形・想像タイプの休養になります。

空の雲を見上げて、「なんか面白い形をしているな。よく見たら、魚の形に似ているな。空が海だとしたら、大きな魚が泳いでいるみたいだ」といった具合に、空想を巡らせるだけでも心が安らぎます。

空想は道具もいらなければ、時間もかからないので、一番簡単な休養法かもしれません。

疲れを感じたときに、ちょっとした時間に空想をするだけでも、少しずつ疲労が軽減されていきます。

何かに集中をしたり、好きなことに思いをめぐらせたりすることは、疲労感の軽減につながるのです。

身のまわりの環境を変えることも休養になる

⑦転換タイプ

「転換」というと、引っ越しや転職を連想するかもしれませんが、そんなに大がかりなものでなくてもかまいません。

ここでいう「転換」とは、「身のまわりの環境を変えること」を指します。体は皮膚を隔てて、内部環境と外部環境に分かれていますが、その皮膚の外部環境を変えるということなのです。自分の外部環境を変えることも、気分転換につながり、活力が高まることから、休養法の一つなのです。

例えば、「気分転換をしたいから」と言って時々、自宅のカーテンや壁のクロスを替えたり、新しいインテリアを導入したりする人もいますが、活力アップにもプラスになるから、「部屋の模様替え」を行うのでしょう。

家の中を大掃除したり、書類を整理したり、棚に並べてあるフィギュアの位置を変えてみたり、庭の手入れで花を植えたりするのも、転換タイプの休養になります。服を着替えたり、買い物や外食に出かけたりするだけでも、自分自身の外部環境のチェンジになるので、休養になるわけです。

転換タイプの休養の最たるものが、「旅行」でしょう。旅行に出かければ、普段とは全く違う、非日常の環境に没入できるので、休養の効果は絶大といえます。

GWなどの長期休暇を活用して、旅行を楽しむ人が多いのも、気分転換をすることができて、疲労回復につながることが経験的にわかっているからだと思います。

ただし、「枕が変わると眠れない」「知らない場所に行くのは不安」といったデリケートな人は、旅行に出かけると、むしろストレスが増えてしまったといったことがあると思います。

それでは逆効果となって疲労がたまる原因となってしまうかもしれないので、無理をしてまで旅行することはありません。どのようにすれば気分転換ができるのか、ということが重要です。