人や動物、自然と触れ合うことでストレス解消に

前編から続く)

④親交タイプ

親交タイプは、家族や恋人とハグをしたり、友人や知人と楽しい会話をしたりすることで、ストレスを解消し、活力を得るという休養法。近所の女性が「井戸端会議」で集まって、世間話に花を咲かせているのは、その典型例といえるでしょう。

交流するのは、親しい人でなくてもかまいません。また、「人付き合いが疲れる」という人は、無理に親交をする必要はありません。無理な人付き合いは大きなストレスとなり、逆効果になりうるからです。

しかし、知り合いに会ったりしたときは会釈をしたり、何か困っていそうな人がいれば、手をさしのべる程度のことは時々してみてはどうでしょうか。人とのコミュニケーションは自分の感情をポジティブにしてくれます。

ほかには犬や猫、ウサギなどのかわいいペットを抱いたり、なでたりしてもいいでしょう。疲労回復に役立ちます。

母親と赤ちゃんがスキンシップをしたりすると、リラックス効果をもたらす「オキシトシン」、別名「愛情ホルモン」というホルモンが脳から分泌されるのですが、ペットと触れ合うだけでも、オキシトシンが分泌されることが知られています。

また、自然と触れ合うことも親交タイプの休養法といえます。

桟橋で休んで湖と霧の山々を見ている家族と犬
写真=iStock.com/Kerkez
※写真はイメージです

例えば、「森林浴」などで自然と触れ合うことも、オキシトシンが分泌されると報告されています。研究では、樹木から放出される「フィトンチッド」という物質がリラックス効果の成分として含まれているといわれています。

森や山以外に海に行くのも、やはり効果的です。

海辺で波の音を聞いたり、岸辺に打ち寄せる波を眺めたりすると、心地よく感じる人は多いのではないでしょうか。波の打ち寄せる平均回数と人間の1分間に行われる呼吸の数が同じなので、人は心地よく感じて、落ち着くのかもしれません。

気分転換になる行為をリスト化しておく

⑤娯楽タイプ

娯楽タイプの休養というのは、好きな音楽や映画を鑑賞したり、読書にいそしんだりといった具合に、趣味嗜好を追求する休み方です。

最近の例では、アイドルの「推し活」なども、娯楽タイプの休養になります。趣味嗜好に一心に打ち込んだことがある人なら、ストレスを忘れ、疲労が吹き飛んだ経験があるでしょう。

ただし、注意点もあります。例えば、皆さんは、TVやSNSのゲームに夢中になって、「徹夜で遊んでしまった」という失敗がないでしょうか? せっかくの趣味嗜好も、「やりすぎ」では、疲労回復につながりません。

あくまで休養が目的であることを忘れずにゲームをするなら、「1時間遊んだらやめる」「この場面までクリアしたらやめる」といった決め事をあらかじめつくっておくようにしましょう。

また、趣味がないといった人もいるかもしれませんが、そういった場合でも問題ありません。趣味とはいえなくても、何か好きなことであったり、気分が良くなったりすることはあるのではないでしょうか。

例えば、「鼻歌を歌う」「爪を切る」「炭酸飲料を飲む」「窓を開けて空気を入れ替える」「歯磨きをする」といったように、気分を変える方法は何かあるのではないでしょうか。

ここで大事なことは、何をすれば気分を切り替えられるのかを知ることです。そこでおすすめなのが、ストレスがたまったときに備えて、気分を切り替える方法をリスト化しておくことです。この方法は「ストレススコーピング」と呼ばれるものです。

ストレスがたまってくると、そのことで頭がいっぱいになってしまいがちですが、あらかじめすることを決めていれば、すぐに気分転換ができるでしょう。

時間があるときに、手帳などに自分なりの気分転換法を書き留めておいてほしいと思います。

疲れの取れる娯楽の仕方