“アウェー”に自分自身を連れ出してみる

次に、時間です。

一日の時間は誰もが24時間。

ですが、誰に会うか、何をするかで、時間の質は一気に変わってきます。

セカンドキャリアを考える人にとって、これまでの30年以上にわたる会社生活の習慣は、知らず知らずのうちに自分の枠になっています。要するに、“足枷”です。今後は時間の使い方が変わる、いえ、変える必要が生じてくるからです。お金が減り、時間が余ってくるのがシニア世代。そういっても過言ではありません。

早いうちからの練習が、これも功を奏します。

「会社でどっぷり」働く習慣を、少しずつ変えていく、ということです。

たとえば、副業のための時間を50代から前もって確保する。自分への投資の時間にしたり、地域のイベントを探したり、旅先のコワーキングスペースで仕事をしてみたり。いわば、“アウェー”に自分自身を連れ出してみる。そうすれば、必ずや新しい情報が得られ、セカンドステージに応用できる物や人に出会えるものです。

目安としては、まずは月に10時間。ちょうどシニアの平均的な副業収入が約10万円ですから、それだけの時間をまず先に確保して、時間と収入のバランスをつかんでおくのがお薦めです。

無償でスキルを提供する学び

こうした戦略と共にお薦めするのが、大人のインターンシップである「プロボノ」です。

今の仕事を続けながら、会社の「外の世界」を知ることができる選択肢です。

プロボノの文字と天秤
写真=iStock.com/designer491
※写真はイメージです

「プロボノ」の語源はラテン語。「Pro bono publico(公共善のために)」から生まれた言葉で、職業上のスキルや経験を活かして取組む社会貢献活動です。私たちのセカンドキャリア塾では、40~60代の皆さんが、全国各地と主にオンラインで、プロボノとして活動しています。いわば、転職・副業の練習ともいえます。なぜなら、数カ月間プロボノとして働くことが、セカンドキャリアの前哨戦になるからです。初めての業界・企業・職場で、まずは無償で協働することにより、ホンネの体験ができ、必ずや自分の新しい面が見つかるのです。