授業後から翌朝まで、3回復習する
「今年こそは合格を!」
気負って、焦っている医学部受験の浪人生。七沢さんは彼らに対して具体的にどのように指導してきたのかといえば、「生徒には、授業や自習で新しい知識を学んだ後は、翌朝までに繰り返しアウトプットするように伝えました」という。
そこには3つのポイントがある。最初は「授業後の反芻」だ。
「授業が終わったら、必ずその授業を振り返って、1分でも2分でもいいから、今の授業では何を習ったのか、反芻します。その際、“ここは難しかったから後で解き直してみよう、復習してみよう”と、後でやるべきことを決めてノートに書く。要は、自分のやるべきこと、足りないところを視覚化するのです」
「学んだ後、それをすぐ人に話したり、教えたりするのも有効です。“こうやったほうが問題を解きやすいよね”などと相手と意見を交換すると学ぶが深まります。よく教え魔はできるようになる、と言いますよね。自分のノートが、先生が教えているような書き方になっていれば、より効果的でしょう」
2つ目、夜に今日1日に学んだ内容と、そのポイントを、就寝直前に殴り書きでもいいいからノートに綴ること。七沢さんはこれを“夜ノート”と呼んでいる。夜ノートに書く量は、全教科で1ページ程度でもいい。とにかく続けることが肝要だ。
3つ目は翌朝目覚めた直後に、そのノートを見返すことだ。
「多くの子は、夜寝る前にスマホをいじったりして、勉強と関係ない情報を頭に入れて寝ます。すると、その日の勉強が他の情報に上書きされてしまい、朝になったらほとんど覚えていないことが多い。
自宅に帰ってからは動画を見てもいいしSNSをやってもいいんです。だけど、寝る直前だけはもう1回勉強モードに戻して、脳内を勉強内容で満たしてから寝ついてほしい。そして朝起きたら必ず昨夜書いたノートを10秒でもいいから見直す。それだけでも昨日の内容を振り返られます。自分が受け持った生徒には、それを一年間徹底してやらせていましたね」
以上、授業後の反芻、夜ノートの作成、寝る直前と翌朝のノート閲覧、この3回の振り返りを365日毎日続ける。この“習慣”が合否を分けるのだという。