国民生活センターも注意喚起
これは火葬だけの葬儀だけではなく、少人数での家族葬や一日葬といったプランを頼んだ場合も同様である。私の知るひどいケースだと、「参列者たった6人で220万円」という高額請求が菩提寺住職の機転で回避されたという事実もある。
国民生活センターは今年の2月14日付で、オプションを次々と追加し、最終的に広告で表示された金額とは程遠い高額請求をする悪質なケースがあるとして注意喚起をしている。
以上のことから、ネットで葬儀社を選ぶのはあまりおすすめできない。
ネットなどを含む広告での表記が信じられない時代になってきている。見積もりを取っても、その見積もり通りに仕事をしてくれるかは保証がない。口コミも自作自演の可能性があり信用できないとしたら、良心的な葬儀社はどのようにして見つければよいのだろうか。
ネットで探さず、信用できる知り合いに聞くのが一番いい
私は、葬儀に限らずいいお店から商品やサービスの提供を受けるとしたら、知人からの紹介が一番良いのではないかと思う。人付き合いを維持していくことは、非常に煩雑で困難な部分もあるだろうが、デジタル化が進む社会において、もっとアナログの良さというのが見直されたほうがいいと思っている。
ネットを全く使うなというわけではない。近くの葬儀社を検索すれば、どんな地域でも2、3軒は見つかるはずだ。それをリストアップし、その地に長く住む町内会長などの詳しい人にちゃんと評判を聞いて紹介してもらうのが確実な方法の一つだ。少なくともネットの広告を鵜吞みにして葬儀社選びに失敗するよりも、よっぽど騙されたり失敗する確率は減るだろう。
地縁や血縁、町会や菩提寺などその他の煩雑ともいえる付き合いを維持するのも大変な時代になって来ているのは重々承知している。だが無理のない範囲で人付き合いを継続して、その中で信用できる人や会社を紹介してもらうというのが非常に強い方法になってしまった。
家族葬が多くなる時代でもあり、葬儀も個別化してきたが、だからこそ人の評判や信用といったアナログな手法こそが、デジタルなネット時代にはかえって有効な方法だと言える。