アームを景品に引っかける「すきまフック」「引き落とし」

① ひっかけ技:技名「すきまフック」(難易度★★★)

これは、「フィールド上に置かれたぬいぐるみに付属している小物などとの隙間に、アームを滑り込ませて、がっちりと大きな摩擦力で落とし口まで運ぶ技」と記載されていました(図表1)。現在でも、たまに、ぬいぐるみとベルトなどの小物の間にアームやシャベルが挟まったまま、空中を移動する光景を見かけます。最近のプライズやゲーム設定で、私は、「すきまフック」でプライズゲットの経験はありません。残念。

② ひっかけ技:技名「ひも掛け」(難易度★★★★)

ぬいぐるみプライズの中には、プラスチック製のひもで商品タグが付けられている物があります。プライズとタグはそのひもで、輪っかを作るように結ばれていることがあります。「ひも掛け」は、その輪っかにアームやシャベルを入れ込むことです。

私も2023年に、運良く、「ひも掛け」になったことがありました。このときは、落とし口の上まで、体長約60cmのぬいぐるみプライズを運んでくれました。金属シャベルとプラスチックの取り付け隙間あたりに、ひもがかかっているようでした(図表2)。その後、店員さんを呼んで、無事にプライズゲットしました。

「すきまフック」イメージ
「ポイント」の箇所にアームを入れる。所有のチラシを参考に著者作図(以下同)出典=『クレーンゲームで学ぶ物理学
「ひも掛け」イメージ
 筆者作成。出典=『クレーンゲームで学ぶ物理学

数回に分けて少しずつ移動させる「引き落とし」は今も有効

③ ずらし技:技名「引き落とし」(難易度★★★)

プライズを徐々に落とし口に向かって移動させ、最後に落とし込む技です。チラシには、「アームの一部を引っ掛けて、数回に分けて少しずつ、落とし口に近づけましょう。根気良く近づけていけば、最後には自然に落ちてくれます!」と書かれています。これは、2024年現在でも十分利用できる技だと思います。

ただしチラシの解説文にある、「最後には自然に落ちてくれます」は、経験したことがありません。私の経験のほとんどは、落とし口の周りにパーティションがあって、自然に落ちるのを阻止しています。

この技の第1のポイントは、プライズの大きさです。この技は、プライズを引きずることに意味があります。引きずって、プライズの「重心」を少しずつ落とし口に近づけられるかどうか、です(図表3)。第2のポイントは、UFOメカからプライズが離れ、落ちるタイミングです。効率的にプライズを引きずって移動させるには、UFOメカがx軸とy軸方向に移動している間(つまりプライズを引きずっている間)も、その3本アームでプライズを捕まえていなければなりません。メカがx軸とy軸方向に移動する前に、プライズがアームから落ちてしまっては、プライズはなかなか落とし口に進みません。

それでも、メカの特性と物理を使えば、プライズの重心をうまく、落とし口に近づけることができます。2023年に私は、この技で全長76cmのプライズを落とし口まで引っ張り、最後は落とし口に引きずり込みました。

「引き落とし」イメージ
筆者作成。出典=『クレーンゲームで学ぶ物理学