終活をすれば人間の5大欲求に対処できる

①「生きててよかった」を味わいたい

「生きててよかった」と感じる瞬間はどんな時でしょう。

私にとってそう感じたのは、わが子が生まれた時。今でも、子どもが小さい頃の写真を見ると、幸せだった記憶がよみがえります。終活は、そんな「生きててよかった」を味わうこともできるのです。これは、具体的には、洋服やアルバムの整理、片付けなどで叶う欲求です。

②やりたいことを全部やりきりたい

「起業したい」「世界一周したい」「海外で暮らしたい」など、多くの人は漠然とでも、何か夢や希望、理想の自分像を持っているでしょう。もちろん、その理想と現実が一致する人はごくわずか。でも、少しでも理想に近づきたい、最後まで自分らしく生きたいと思いますよね。それに、これまで、家族や誰かのために自分のやりたいことをがまんしてきた人も少なくないはずです。

そうであれば、これからは、自分のやりたいことを全部やってみませんか。これは、終活で言うと、自分の趣味ややりたいことを見つけることに該当します。

③「絆」を感じたい

人によっては、「1人が好き」ということもあるでしょう。でも、それは「1人の時間が好き」ということであって、絶海の孤島に降り立って、そこでも強く生きていける人は本当に少ないのではないかと思います。

何かに属しているとか、数は多くないかもしれないけど、誰かが自分のことをわかってくれている。これだけで人は、安心、安全を感じるものです。これは、終活で言うと、いざという時に頼れる人との関係を作ることが該当します。

④人から認められたい

人間、何歳になっても、人からの評価は気になるもの。ほめてもらえればうれしいし、悪いことを言われると落ち込んでしまう。悪い言葉には耳をふさいで気にしないという手もありますが、人からほめられること、認められることは、時に私たちの心の支え、モチベーションにもなりえます。

「いいね!」「すごいですね」「尊敬します」など、人からほめられて悪い気がする人はいませんよね。「人から認められたい」という承認欲求は、それだけ強いものです。

それに、私の経験的にも、年齢を経るごとに「ちゃんとした人」でいたい、「きちんとした人」だと思われたい気持ちが増す気がしています。これは、終活で言うと、自分の周りの人に迷惑をかけないこととイコールなので、エンディングノートを書く、入院時等のお泊まりセットを準備するなどが該当します。

⑤心配事をなくしたい

人生に、不安なことは付きまとうものです。

特に、年を取ると自分や家族の健康、老後資金、家族関係、相続などなど。心配事、悩み事は尽きません。残りの人生を気楽に過ごしたい、という気持ちもあるでしょう。

黒田尚子『終活1年目の教科書 後悔のない人生を送るための新しい終活法』(アスコム)
黒田尚子『終活1年目の教科書 後悔のない人生を送るための新しい終活法』(アスコム)

これは、終活で言うと、財産の棚卸しや、介護、相続への備えをすることで満たされるはずです。

この本は、「私が終活をおすすめしたくて書いた」というよりも、

もっと幸せになりたくて、

毎日を楽しく過ごしたくて、

そのためにはどうしたらいいかな?

を考えた先に、終活があった。

ということを、あなたにも知ってほしくて書いた1冊なのです。

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