人生に幸せを運ぶ「5つの欲」

私は、終活をすることが、この先の人生をより充実したものにする近道、と考えています。

ただ、これだけでは漠然としすぎて、納得して「じゃあやってみよう!」となる人は、なかなかいませんよね。では、どうしたら、行動に移してくれる人が増えるのか。次にご紹介する3人の例にヒントがありそうです。

彼らは、実際に終活をした人です。3人は、どんな理由で終活をしたのでしょう。

① Aさん「家族に迷惑をかけたくない」
② Bさん「お金や家の心配をなくして、好きなことをして余生を過ごしたい」
③ Cさん「『最期までちゃんとした人だった』と思われたい」

終活をした理由はそれぞれです。だけど、みな「やってよかった」と口をそろえて言っています。

彼らの動機を、どう思いますか。「なるほどねえ」という感じでしょうか。

でも、「じゃあ、自分もAさんみたいに、人に迷惑をかけないように、終活しよう!」とまで、思ったでしょうか。これは、ごく一部の人かもしれません。

あなたは、終活に興味があるのですよね。でも、自発的には動けなくて、「よし、やろう!」と思える動機がほしくて、読んでくださっているのではないでしょうか。

あなたにとって、人の「やってよかった」体験談だけでは、やってみたいと思える動機としてはまだ弱い。「心が動かない」とも言えるでしょう。

「もっと強い動機さえあれば、動けるのに」。その期待に応えたいと思います。

テーブルの上のホットドリンクのカップ
写真=iStock.com/Alina Rosanova
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人生に幸せを運ぶ「5つの欲」とは

終活の相談に来る人のお話を伺いながら気づいたのは、「やってよかった」という言葉の中に、さまざまな「気持ち」があるということです。

この「気持ち」は、人それぞれの正解があるものだと思います。それだけに、共感できる人と、できない人がでてきてしまう。

では、その気持ちの最大公約数的なものを発見できないか……。そのために、矛盾するようですが、いったん、頭から「終活」を取り除いて、こう考えました。

「私が、強く、この先の人生に求めることはなんなのか」
「私は、どんな時に幸せを感じるのか」

人が、他人に何を言われるでもなく、自発的に動く時は、そういう問いへの答えが見いだせた時だと思うから。

そして、前述のAさん、Bさん、Cさんの話を思い返し、人間が求める根源的な「5つの欲求」にたどり着いたのです。早速、紹介しましょう。

● 「生きててよかった」を味わいたい
● やりたいことを全部やりきりたい
● 「きずな」を感じたい
● 人から認められたい
● 心配事をなくしたい

いかがでしょう。言い方の問題かもしれませんが、「人に迷惑をかけないように、終活をしましょう」と言われるよりも、「人から認められたくありませんか。それには終活がおすすめですよ」と言われたほうが、そうなの? 本当にそうならやってみようかな、と興味がわきませんか?

根源的な「5つの欲求」を叶えることで、この先の人生がより充実したものになるはずです。1つずつ見ていきましょう。