どうしてプロ野球選手の私服はダサいのか
「年々太る」「お尻が大きい」と微妙に関係しているのが、この疑問だと思います。ぼく自身、その世界にいましたし、決してダサいことを肯定するわけではありませんが……世間にはそういう見方をする人がいるのも事実でしょう。なので、ぼくなりの考察をしてみたいと思います。
まず、ダサいというのは思い込み、イメージによるところが大きいはずです。ぼくらが子どもの頃にテレビで見ていたプロ野球選手の私服は、ブカブカのスーツ、セカンドバック、似合わないパーマなど……。
諸先輩方には大変申し訳ありませんが、ダサいと言われても仕方ない面もありました。Jリーグが誕生してからは、カズさん(三浦知良)をはじめ、ヨーロッパの風を感じさせるオシャレなJリーガーの露出が増え、対比として「私服のダサいプロ野球選手」というイメージが固まった気がします。
では、実際にダサいのか。これは個々のセンス、価値観によるので一概には言えませんが、そうでもないし、少なくとも昔のイメージとは違うと思います。
最近はオシャレな選手も多い
若い選手はみんなそれなりにオシャレだし、各球団にオシャレ番長的な選手もいます。在籍していた頃の北海道日本ハムファイターズ(以下、ファイターズ)のオシャレ番長は……はい、ぼく、今浪隆博でした(笑)。
高校生の頃からファッションには気を使っていて、大学時代は、野球部の練習をサボって、ストリートファッションの店に朝から並んだこともあります。
ファイターズは北海道のテレビ局に取り上げられることが多く、毎日、球場入りする選手をテレビカメラが待ち構えていました。選手が私服でインタビューを受けるコーナーもあって、そこにぼくは命をかけていました。というのは大袈裟ですが、メディアに出る機会を増やし、1人でも多くのファンに自分を知ってもらうため、カメラに写ることを意識して洋服を選んでいたんですね。
入団して3、4年目の頃で、年俸は低かったのでハイブランドには手が出せません。御用達は札幌市内のセレクトショップ。こまめに洋服を買っていたら、ファンからも選手仲間からも「なみはオシャレやな」と言ってもらえるようになったんです。