「保険貧乏」になる人が陥る負のループ
「保険料の支払いが大変なので保険を見直したい」というお悩み、家計相談でもトップ5に入るぐらいよくあります。
なかには「お金があると使っちゃうから保険に入ったんです~」と、貯蓄タイプの保険をいくつも契約している人もいます。確かに、保険はほぼ強制的に保険料を払い、簡単には解約できないので、お金が貯まりそうな気がします。
でも、よく考えてみて。ついお金を使っちゃうなら、お金を下ろしにくくするために貯蓄用口座のキャッシュカードは作らない、解約しにくい定期預金にする、給与自動振替で貯蓄用口座にお金が移動するようにする……など、保険に加入する前に打つ手はいくらでもあるはず。それらをぜ~んぶすっ飛ばして「保険にしないとお金を使っちゃう」というのは、いかがなものでしょう。
ほかにも、貯蓄が少ないので何かあったときにお金がなくて困るのが怖いからと、保険にたくさん入っている人もいます。そういう人は、多額の保険料を払っているせいで、貯蓄に回すお金がない→貯蓄がちっとも増えない→不安が増す→だから保険が手放せない……という「負のループ」に陥っているケースが多いです。お気の毒ですが、典型的な「保険貧乏」さんです。
保険に入ってもお金の不安は消えない
誤解がないように言っておきますが、保険自体が悪いとはひと言も言っていません。もしものときの備えとして、保険は大切なものです。「預貯金の残高が少ない人ほど保険の必要度が高いことが多い」というのも事実。貯蓄に回すお金を増やしたいがために、必要な保険に加入しないのは問題ありです。が、しかし、過剰な保険は「保険貧乏」を招きます。
「保険貧乏」から抜け出すために検討したいのが、次の3点です。
1 漠然とした不安は保険では解消できないと知る
保険は、いつ起こるかわからないけれど、起きてしまったら一人の力では対応が難しい経済的なリスクに備えるもの。正体のわからない不安や、預貯金が少ない不安の解消には、保険は効果がありません。