4月に求人媒体を売りたいならまずは何を見るか

しかし、既存の取引先が無限にいるわけではありません。まして「年度末」という期間限定のアプローチであれば、4月以降は次の打ち手を準備しておかなければいけません。

違う例で考えてみましょう。

いつ:4月~6月の今四半期
誰に:これまで受注実績のあるIT企業に
何を:求人媒体を
どうやって:手段問わず(訪問、オンライン、電話、メールなど)

IT企業といっても多数あります。企業の与信管理サービスを手掛けるリスクモンスター社の調査によれば、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業を合わせた企業数は9万社を超えるそうです。これだけの会社すべてに同時にアプローチすることはできません。やらなければいけないことは、より細かく分類、セグメントを分け、優先順位をつけることです。

まず、求人媒体を売りたいということであれば、当然「採用ニーズ」がある会社にアプローチをすべきです。採用ニーズの有無は、他社の求人媒体に掲載されていたり、ハローワークで募集が出ていたりすれば、採用する意向があることがわかります。会社のホームページを見たら、採用サイトやページが出ているかもしれません。

「誰に」「何を」売るか戦略を定めて実行していく

ほかにも現在取引をしているお客様の声やニュース、地域や企業の属性などから傾向が出せるかもしれません。「都内の同規模の会社が採用強化を進めており、商談相手のお客様も注力する可能性がある」「地元の有力企業が自治体の大規模案件を受託し、現状とは違った業務が発生する可能性がある」など、予測を立て、セグメントを分けることで、営業効率を上げられる可能性があります。

営業は常に、PDCAを大なり小なり高速で回転させることが重要です。ここでの「大」とは戦略や戦術部分、「小」とは実践・実行部分です。

営業における戦略とは、目標を達成・実現するための方針や指針です。「誰に」「何を」売っていくのか、新規メインなのか、既存のお客様からアップセルやクロスセル、継続発注をいただくことに注力するのかなどを決めることが戦略です。営業戦術は具体的なお客様へのアプローチアクションを明確に定めていきます。

営業戦略は大局的に中長期的な動き方を定め、それをより局地的に絞ってアクションを定めるものが戦術になります。