──2024年2月に日経平均がバブルの最高値を超え、3月にはついに4万円を突破しました。ご著書『大暴落』の中で近い将来、金融危機が来ると予言されていますが、それまで投資のスタートを待つべきでしょうか?

暴落がいつ来るかわかっているなら、待つべきでしょうが、私はそれが正確にわかるほど賢くありません。

たとえわかっていたとしても、人々の気分が高揚して市場に関するゴシップや話題が多くなるときは、たいていまだ株は上昇する可能性があります。

しかし相場の上昇圧力が弱まってきたら、慎重になるべきです。どのタイミングかとは言えませんが、みんなの会話が不況やショックで持ちきりになったら、株式を持っているなら素早く売り、銀行預金か何か、安全なものにお金を預けることを考え始めるべきだと思います。

繰り返しますが、相場は永遠に上昇し続けるものではありません。歴史上、世界中のどの市場でも、最終的には大暴落が起きています。

皆が興奮し、高揚しているときは、大暴落の前触れかもしれませんが、大暴落の瞬間ではありません。しかし、確実に暴落が近づいている兆しですね。

日本人がやるべき2つのこと

──今の現役世代が、60代以降も、ジムさんのように仕事を続けて稼ぐために留意すべきことはありますか?

私は40年以上、ほぼ毎日運動しているので、それが今の健康につながっていると思いますね。医学的には健康でいたほうが長生きできるし、長生きできなくても、健康でいたほうが良い人生を送れるはずです。

あとは、好きなことをやること。好きなことを仕事にしている人はたいてい一番幸せで、長く働けます。だって、そういう人は、毎朝目を覚まして義務的に仕事に行っているとは思わないでしょう。彼らは「今日も好きなことをやっている」としか感じないのです。そういう人はいつも楽しんでいるから、より成功するんです。

たとえお金持ちになれなくても、成功しなくても、幸せでさえあればいいじゃないですか。「自分はそうではない」と思うなら、好きなことを探す努力をしてほしい。

日本では、多くの人が運動不足になっており、かつ満足できる仕事に就いていないために、バイタリティーが失われていると思います。

残念ながら世界の多くの国でも同じです。多くの人は、親が言ったこと、友達が言ったこと、先生が言ったことをやって、幸せでない人生を歩んでいる。人の言うことなど聞かず、自分の好きなことを見つけて、それをやってください。何歳からでも遅くはないと私は思います。

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(インタビュー、構成=花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド 撮影=Luxpho(Takao Hara))
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