SNS上の悪口や批判にはリアクションしない

それと「SNSは自分の全部を見せている場所じゃない」という感覚も大事です。

SNSのあなたは、あなたそのものではありません。一部の文章、一部の写真だけが公開されているSNSを見て、あなたのことを理解できるわけがないんです。

こう思えないとしたら、人生においてSNSの比重が高すぎるかもしれません。

そんなときは、リアルの世界を増やすのも手です。友人と会う機会や仕事の飲み会、なんでもいいですがリアルの世界でつながる機会を増やすことです。

リアルでのつながりが増えれば、SNSの比重が減ってきて、そんなに気にならなくなるかもしれません。

そして、SNS上の悪口や批判には最も注意してください。

たとえば、SNSに書いた言葉に突然批判的な言葉が返ってくるとびっくりして反論したくなるかもしれませんが、リアクションしないのがいちばんです。「反論しなきゃ」などと思わなくていいです。

僕自身の話をすれば、4年もX(旧Twitter)をやっているので、炎上したこともあれば、炎上した人を何度も見てきました。そこから言えるのは、「数日放置しておけばほとんどの炎上は収まる」ということです。

ネット上では次から次に新しい話題が提供されます。「誰でも15分は世界的な有名人になれる」という言葉がありますが、逆を返せば世界が自分に注目してくれるのはその程度ということ。良くも悪くも他人はそんなにあなたに興味をもっていません。

傷つけようとしてくる人には、傷ついてないふりを。

悪口を言ってくる人にはスルーでOKです。

出来事や事実をジャッジする「スキーマ」

何気ないSNSのコメントを読んだり、一枚の写真を見ただけで、なんとなくイヤな感じがしたり、胸がキュッとなることがあるという人がいます。

・楽しそうに働いているポストを見たり、やりがいのある仕事について語っているポストを見ると落ち込んでしまう
・高級ランチやおしゃれなごはんがあふれたインスタを見てイラッとする
・幸せそうな家族写真や家族のエピソードの投稿にモヤモヤする

こんなふうに、別に相手から直接幸せアピールをされていないのに、アピールされているような気がする場合は注意が必要です。

「自分がそう受けとっているだけ」ということもあるからです。

スマホを見ながら落ち込んでいる女子高生
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

これには、「スキーマ」がかかわっています。

スキーマとは、考え方や受けとり方にかかわる自分の心のクセのようなものです。

「自分自身や世界を根底のところでどう思っているか」みたいな潜在的な考え方のようなものともいえます。

スキーマには「自分は誰からも愛されない」といった自身に関するものだけでなく「世の中は汚い」のように世界に関するとらえ方などもあります。

人は、この「自分独自のスキーマ」を通して、出来事や事実をジャッジしたり、感情を抱いたりするのです。

同じSNSの投稿を見たとしても、人それぞれのスキーマを通して見たり感じたりするので、人によっては「楽しそう」と感じたり、「幸せを見せつけられている」と感じたりします。

つまり、「自分は誰からも愛されない」というスキーマがあると、家族写真のポストを見て、瞬時に「イヤな気持ち」を抱いてしまったりするのです。