継続に意志力は関係ない

もう一つ、継続のコツを知る前に知ってもらいたいことがあります。それは、継続することに意志力はまったく関係ないということです。むしろ、意志力に頼っていると継続できません。

私たちは継続できなかったとき、ついこう思ってしまいます。

「なんて自分には意志力がないのだろう」
「自分がやると決めたことをできないなんてダメな奴だ」

せっかく目標を持って行動しようとしたのに、マイナスの結果として心に残ってしまいます。夢や目標を持つこと自体は、とても良いことです。ところが、こういった経験をくり返していくうちに、それらを持つことすらやめてしまうようになります。とても悲しいことです。

意志力に頼ると続かないのは、なぜでしょうか?

それは、意志力は消耗するからです。例えば、腕立て伏せをするとだんだんと腕が疲れてきて、そのうちまったく動かせなくなります。筋力と同じように、意志力も使っていると少しずつ疲れてきて弱まってくるのです。

スイッチを入れて起動する
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仕事や近所付き合いなどの人間関係によるストレス、多すぎる選択疲れ、こういったものが意志力を弱らせます。だから意志力に頼っていると、どうしてもできない日が生まれてしまうのです。そこで怖いのは、できないときに自己嫌悪に陥る、もしくは継続は向いていないと思ってしまうことです。

意志力に頼らずに、継続する方法があります。それは「仕組み化」です。

仕組み化(習慣化)すると意志力やその日の気分に左右されず、継続できるようになります。歯磨きやお風呂は、毎日苦労せず自然とできますよね(ちなみに「うちの子は、歯磨きやお風呂さえさせるのに苦労する」というあなた。これらも仕組み化すれば、すぐできるようになります)。

仕組み化できれば、歯を磨くレベルでやりたいことを継続できるようになるのです。学校の宿題を一年間一度も忘れない子がクラスには必ずいます。その子たちにこんなことを聞いてみました。

「いつ、宿題やってるの?」

すると、だいたいの子はこう答えます。

「帰ったらすぐやります」

えらいっ! と言いたくなりますね。さらにどうして帰ったらすぐにやるのかを聞いてみました。するとこんな答えが返ってきました。

「すぐやれば後で自分のやりたいことがたくさんできるから」
「早く終わらせるとスッキリするから」
「気持ち的に楽になるから」

今回の、自分から進んですぐやる子の場合は、学校から帰ってからすぐ宿題をやるとなぜ良いのかを理解していました。つまり、メリットを把握していたということです。

さらに、帰ったらすぐやるということは、仕組み化の観点でも良いことなのです。

宿題をよく忘れる子にも同じことを聞いてみました。

「いつ、宿題やってるの?」
「……。」

すぐに答えることができませんでした。宿題をやる時間がバラバラなのです。やる気になったらやる、つまり意志力で宿題をやっているということです。

まとめ:意志力に頼ると継続できない