傷からウイルスが侵入し、イボに成長する

最も一般的なイボが尋常性疣贅で、手のひらや足の裏にできることが多く、最も多いのは子どもですが、大人にもよく見られます。手や足は擦れたり細かい傷ができやすかったりする部位なので、そこからウイルスが侵入しやすく、潜伏期間を経てイボへと成長します。

扁平疣贅は顔にできることが多く、女性に多いイボです。詳しいことが書いていないので断定はできませんが、田中みな実さんは細かいイボをとったということですので扁平疣贅だったのではないでしょうか。もしくは皮膚の摩擦が原因で首や脇などにできる軟性線維腫なんせいせんいしゅ、別名アクロコルドンの可能性も。

ウイルス性のイボは広がっていきやすく、公衆浴場やプール、ジムなどで感染したり、その逆で他の人にも感染させるリスクがあったりするので、イボを見つけたら早めに皮膚科クリニックを受診したほうがよいでしょう。

もう1つは加齢によるもので、脂漏性角化症しろうせいかっかしょうという病名ですが、老人性イボともよばれます。先述したデヴィ夫人のイボはおそらくこのタイプでしょう。原因は皮膚の老化や紫外線、摩擦の積み重ねで、顔や首の紫外線の当たる場所、背中やお腹にできることが多いです。

少しずつ大きくなっていきますが、良性の腫瘍なので自分が気にならなければそのまま放置しても悪性化することはないです。また、加齢性とはいえ、遺伝や生活習慣などの要因によって10代でできる人もいます。

皮膚がんを見分ける「5つの特徴」

ホクロ、イボともにほとんどが良性ですが、まれに悪性の皮膚がんである有棘細胞癌ゆうきょくさいぼうがん、基底細胞癌、ボーエン病、メラノーマ(悪性黒色腫)ということがあります。特にホクロだと思っていたらメラノーマだったというケースが多いため、以下の「ABCDEルール」を参考にしてメラノーマを疑います。

A(Asymmetry):形が左右対称でない
B(Border):辺縁が不明瞭だったりギザギザしたりしている
C(Color):色が均一でなく、濃淡が混じっている
D(Diameter):直径が6mm以上ある
E(Elevationあるいはevolving):盛り上がっている、あるいは大きさ、形、色、表面の状態、症状の変化がある

また、紫外線を浴び続けてきたことで発症する日光角化症やボーエン病と呼ばれる前がん病変を放置したことで、有棘細胞癌に移行することもあります。こうした理由から自己判断でホクロやイボだと決めつけるのはリスクが大きいです。