勝手に体液や血が出る場合は病院へ

例えば怪我をしたわけではないのに体液や血が出る、徐々に大きくなっていくといった症状がある場合は、良性のホクロやイボではなく、皮膚がんの可能性があります。このような理由から、皮膚科専門医のいる病院を受診することが大切です。

当院ではホクロやイボの患者さんが受診した際、まず、がんの所見がないかを前述のダーモスコープを用いて判別します。悪性の可能性が否定できない場合は、組織をとって病理検査に出しています。検査の結果、悪性だった場合は、形成外科医が切除手術を行いますが、サイズが大きい場合や転移のリスクがある場合は大学病院を受診していただいています。

ホクロ、イボが良性であっても、大きなものについてはレーザーではなく切除手術となります。そうでない場合は麻酔クリームで局所麻酔をし、レーザーで蒸散させます。

レーザーにもさまざまな種類がありますが、ホクロやイボの水分に反応して蒸散させる炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)が多くのクリニックで採用されています。炭酸レーザーの中でも当院で採用しているスキャナ付きレーザーであれば、蒸散させる面積を設定し、均一の強さで蒸散させることができるため、仕上がりがよりキレイになります。

「イボ300カ所除去」も珍しくない

レーザー治療は保険適用外の自由診療となり、当院では費用はホクロやイボ1つにつき約1万円が目安。数に制限のない取り放題コースも設定していて、約15万~16万円となります。ホクロやイボの数に限らず、1回で施術が終わり、時間も1時間かからないことがほとんどなので、最近はレーザー治療を選ぶ人が多くなりました。先述の田中みな実さんのように300ショットというのは珍しいケースではありません。

そして、田中さんも「外出できなかった」と話している通り、術後は一過性の擦り傷のような傷ができるため、皮が張る(上皮化する)まで、絆創膏などを貼っておく状態が2週間ほど続きます。皮が張った後も赤みは数カ月続きますが通常、徐々にうすくなっていきます。また大きくて深いホクロ・イボを蒸散させた時は、傷の凹みが残ったり、患部がケロイドといって盛り上がってしまったりすることもあります。

Skin care
写真=iStock.com/lielos
※写真はイメージです

このほか、イボの除去に用いられる一般的な除去方法が液体窒素凍結療法です。これはマイナス196℃の液体窒素を専用のスプレーで噴霧したり、液体窒素を含んだ綿棒をイボに当てたりして細胞を凍結させ、壊死させる方法で、医師の判断によって保険適用となるケースもあります。