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初心者でも気軽に参加できる教室なども増え、坐禅や瞑想が静かなブームになっている。日常生活からちょっと離れ、精神をリフレッシュするには、手ごろな存在だ。

お寺という非日常的空間に身を置くだけでも、簡単に気分転換ができる。土日だけでなく、早朝や仕事帰りに参加できるものもあるから、思っているよりも気軽に参加できる。

ストレス解消も坐禅や瞑想のひとつの効用だが、さらにうれしい効用として、「精神をコントロールできる」というものがある。たとえば、仕事で緊張を強いられる場面に出くわしたときなど、その場で数息観(すそくかん)を実践すれば、心を落ち着かせることができる。

数息観とは、坐禅を組んで、呼吸に意識を集中すること。最初は難しくても、慣れてくれば椅子に座ったまま、あるいは、通勤電車で吊革につかまったままでも、実践できるようになる。

いつでもどこでも、自在に自分の精神をコントロールし、必要なときに、心を落ち着かせることができるというわけだ。これなら、常に自分の力を100%以上発揮することも可能だ。

坐禅の実践は3つの過程からなる。(1)調身、(2)調息、(3)調心だ。調身は体を安定させること。坐禅を組んだ状態で、上半身を揺らせ、一番体が安定するポイントを探していく。調身ができたら、次は、自分の呼吸に意識を向ける。「ひとつ、ふたつ……」、ゆっくりと数えながら、呼吸を整えていく。呼吸に集中することで、邪念を追い払うことも可能になる。

調身、調息ができてくれば、自然と心が調ってくる。これが調心だ。

ただ、何事もやりすぎは禁物。坐禅もいきすぎると禅病という一種のノイローゼを発病してしまう可能性もある。

もっとも手軽に参加できるのは、カルチャーセンターの坐禅や瞑想の講座。寺の坐禅会は初心者向けでも意外に厳しいこともあるから、初めての人はまずはカルチャーセンターを体験するのがおすすめだ。