DXによる効果
タブレット導入店には同時に自動精算機も設置した。近年は多くの外食チェーン店で、注文をタッチパネル、支払いをセルフレジにするなど、DXも進めている。注文ミスが減り、レジ締め作業も短縮するなど店のメリットは大きい。
だが、長年の常連客ほど戸惑うようだ。操作に苦労する人は高齢者以外でもいる。自動精算機なら、たとえばバーコードの読み取り部分が機械によって違うのもあるだろう。
IT社会が浸透するまで年数がかかったように、ある程度の猶予期間が必要かもしれない。
「『タブレットの操作がしにくい』という声もあり、操作性についても見直しを行っています。もし使いにくい場合はお気軽に従業員にお声がけください」(堀さん)
実はコーヒーもビールも自社製造
年に8回行う期間限定イベントも同店名物だ。最も人気が「ドンキー満喫セット」。びっくりドンキーのメニューから好きな商品を選び、自分なりのコース料理を組み立てて通常よりお得に楽しめるものだ。
今回、「学生時代からびっくりドンキーは大好きで、今でも池袋に行くたびに利用するほど。『ドンキー満喫セット』が出るとテンションが上がります」という20代女性の声も聞いた。
また、びっくりドンキーは(4)の自社製造にも注力する。店で提供するコーヒーは札幌市にある自社の工場で焙煎している。原料のコーヒー豆はグアテマラ、エチオピア、ペルー、ブラジルなどの豆だ。大手コーヒーチェーンでは「ドトールコーヒーショップ」の国内焙煎が知られているが、レストランチェーンでは珍しい。
びっくりドンキーでは、2年前には期間限定で、珈琲キャンペーンを行うなど普及に努めた。だが、まだ自社製造はあまり知られていない。
ビールは北海道小樽市の醸造所で、1516年にドイツで制定された「ビール純粋令」を基につくられている。小樽運河沿いには醸造所直営のビアレストランもある。
おなじみの楕円形ハンバーグに比べて目立たないが、自社製造の取り組みも実を結びつつある。それは先に述べた「(5)時間帯別の利用」に対応しやすいのだ。